トキハナには、結婚式へのさまざまな理想の声が寄せられます。その中でも近年特に多い声が、「どうすればゲストに『来てよかった』と思ってもらえるか」といったゲストの満足度に関するもの。 そこで今回は、「#結婚式に自由を」で話題を集めた株式会社CRAZYが運営する結婚式場「IWAI OMOTESANDOIWAI OMOTESANDO 」に、ゲストの満足度を上げるために必要なことについてうかがいました。取材をとおして見えてきたのは、新郎新婦とゲストの関係性の変化でした。 (取材:トキハナ 編集部/文:クリス)
目次
1. ゲストの結婚式に対する本音を、知っていますか?
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023首都圏」によると、7割以上のカップルが結婚式を「感謝の気持ちを伝えるため」だと認識し、その傾向からゲストへのおもてなし費用も年々増加しているというデータが出ています。つまりゲストに楽しい時間を届けたい、ゲストとのつながりを意識したいと思っている新郎新婦は非常に多いと考えられるのです。
一方でゲストからは
「新郎新婦に会いに来たのに、まともに話せない」
「着席・待ち時間が長い」
「よく知らない人の挨拶を聞かなければならない」
「新郎新婦入場って、もったいぶりすぎ……」
といった本音が聞かれることもあります。もちろんすべてのゲストがこう感じているわけではありませんが、ゲストに満足してもらいたいというふたりの想いとは裏腹な事実もあるようです。
そんなゲストの本音と向き合ってつくられた結婚式場が、今回取材をした「IWAI OMOTESANDO」です。
出典: IWAI OMOTESANDO
2. ゲストの満足度を高めるためには、「ゲストの痛み」に寄りそう必要があった
IWAI OMOTESANDOは、これまでもウエディング業界にあらゆる旋風を巻き起こしてきたウエディングプロデュース会社「株式会社CRAZY 」がはじめてつくった式場です。これまでプロデュースしてきた結婚式は、なんと1,4200組 以上。カップルごとの色が存分に出た、完全オーダーメイドの結婚式を届けてきました。
そんなCRAZYは、結婚式のあとに必ず新郎新婦にアンケートを取るそう。そのなかで近年多く見かけるのが「ゲストに楽しんでもらえてよかった」という声。
またCRAZYは、ハッシュタグ「#結婚式に自由を」を使い、今の結婚式に対する疑問を世の中へと発信しました。このキャンペーンは話題となり、結婚式に参列した経験のあるゲストからの本音がSNSでたくさん見られたのです。そしてCRAZYは、あえて結婚式に参加したゲストの本音を、「ゲストの痛み」と呼んでいます。
ふたりが中心となり、コンセプトから作りこむオーダーメイドの結婚式をプロデュースしてきたCRAZY。そのオーダーメイドウエディングを、ゲストにも「参加してよかったな」「今日ここに来られて幸せだな」と心の底から感じてもらうためには、ゲストの痛みに寄り添い、解消する必要があるのではないかと考えました。
そして、コンセプトに「Guest Centered Design ゲストが本当にお祝いできる結婚式」を掲げた結婚式場、IWAI OMOTESANDOが誕生したのです。
出典: IWAI OMOTESANDO
3. ゲストと主役、ではなく、ゲストとホストの関係性
そんな「IWAI OMOTESANDO」では、新郎新婦とゲストとのあいだに、これまでの結婚式とは少しちがった関係性が見えます。
それを象徴するのが、「披露宴」。そもそもIWAIには「披露宴」がありません。
「食事や歓談の時間が無くなってしまうと、ますますゲストとの時間が取れないのでは?」と思われたかたは、ご安心ください。IWAI OMOTESANDOでは、ウエディングパーティーは「ふたりを披露する場ではない」という考えのもと、あくまで「披露宴」という言葉を使用していないだけなのです。
ふたりを披露する場ではないから、高砂はありません。ふたりはゲストと一緒に長テーブルを囲み、ゆっくりと食事を楽しみ、おしゃべりに花を咲かせます。このようにこれまでの結婚式にあった「主役とゲスト」という境界線を、視覚からもなくしたのです。
結婚式を感謝の想いを伝える場だと捉えている人が増えているデータもありましたが、実際に伝える方法は限られた時間の中での会話で、というかたが多いのではないでしょうか。IWAI OMOTESANDOには、ゲスト一人ひとりに宛てた手紙を投函するポストがあります。ふたりの言葉でつづられた感謝の想いが、ダイレクトにそのゲストへ届くので、式が始まる前に涙する人も多いんだとか。
さらにこれまでの結婚式では、新郎新婦それぞれの招待客のバランスや会場に対しての人数をそろえるための「人数合わせ」と呼ばれる、とても失礼な慣習もあります 。IWAI OMOTESANDOはその慣習にも疑問を持ち、なによりおふたりに「本当にお祝いの時間をともに過ごしたい人」だけを招待してもらうことを大切にしているため、空間はあえてコンパクトなつくりとなっています。ゲストとの近い距離が生みだすあたたかな祝福の時間を、きっと満喫できるでしょう。
ゲストと主役ではなく、ゲストが主役。
ゲストと主役ではなく、ゲストとホスト。
これまでの結婚式ではなかなか見られなかった「ふたりとゲストの関係性」が、IWAI OMOTESANDOの結婚式にはあります。その関係性は、おふたりがこれまでの人生の中で積み上げてきた財産です。その財産こそが、ふたりの結婚式を最大級のオーダーメイドなひとときに仕上げてくれるでしょう。
出典: IWAI OMOTESANDO
4.まとめ|大切な人がそこにいるだけでお祝いになる。日常の中の特別な1日が結婚式
数あるゲストの本音には、「いつものふたりを、ありのままの自分で祝福したい」という想いが隠れていると思います。だからこそ、これまでの結婚式にあった「主役とゲスト」という関係性を大胆に変えていく必要があったのではないでしょうか。
近年の結婚式では多くの結婚式場が、新郎新婦とゲストとの距離感をぐっと縮めるための工夫を考えています。きっとどの式場の取り組みも魅力的に見えるでしょう。だからもし式場選びに迷ったら、着飾らなくても招待するゲストがいるだけで、自分もみんなも笑顔で過ごせるかどうかを想像してみましょう。
結婚式はきっと、「大切な人がそこにいるだけでお祝いになる」ことに気付かせてくれる、日常の中の特別な1日だと思うのです。
出典: IWAI OMOTESANDO