2018年11月22日。「#結婚式に自由を」というハッシュタグが、いい夫婦の日にSNSをにぎわせました。このキャンペーンを行ったのは、ウエディング業界にさまざまな旋風を巻き起こしてきた株式会社CRAZY。CRAZYはこのハッシュタグを使って、今もまだある結婚式の“暗黙の当たり前”に対する疑問を世の中に投げかけました。 そんなCRAZYは結婚式をより多様なものにするため、2019年2月に初めて式場をつくりました。その結婚式場が、今回ご紹介する『IWAI OMOTESANDO』です。これまでの結婚式の不自由さに挑んだ会社がつくった結婚式場の魅力にとことんせまりました。(取材:トキハナ 編集部/文:クリス)
目次
1. 「#結婚式に自由を」から見えたゲストの本音と結婚式場がすべきこと
そもそもなぜCRAZYは、「#結婚式に自由を」というチャレンジングなキャンペーンをしたのでしょうか。それは、「結婚式には人生を変えるくらいの力がある」という考えがあったから。
実は言えていなかった「ありがとう」を伝えたり、普段照れくさくて味わえてない、家族との時間を深く感じることができたり。
そんなふたりが結婚式で大切にしたいことを、きちんと結婚式で扱うためには、型にはまらず結婚式に自由を取り入れることが大切だと考えたのです。
さらに、もっと知りたかったのは、ゲストの本音。ゲストの立場に立った時、今の結婚式のカタチにすべてのゲストが満足しているのだろうか?心から楽しんでいるのだろか?という疑問が浮かんできたそう。時代の変化に合わせ、結婚式のカタチや必要とされていることも変化が起きているのではないだろうかという仮設があったといいます。
そこで今までの結婚式に対する疑問を、ハッシュタグで世の中に発信しました。すると、思った以上に結婚式列席経験のある人たちから、声があがったのです。
「新郎新婦に会いに来たのに、まともに話せない」
「着席・待ち時間が長い」
「よく知らない人の挨拶を聞かなければならない」
「新郎新婦入場って、もったいぶりすぎ……」
CRAZYは、本当にゲストが心から楽しめる結婚式をつくるのなら、このゲストの本音と向き合い解消する必要があると確信。そしてその発想から誕生したのが、コンセプトに「Guest Centered Design ゲストが本当にお祝いできる結婚式」を掲げる結婚式場『IWAI OMOTESANDO』なのです。
出典: IWAI OMOTESANDO
2. 結婚式は、ふたりとゲストが強くつながる場所
「ゲストが心の底から楽しめる」「ゲストが本当にお祝いできる」結婚式を届けるために誕生した『IWAI OMOTESANDO』。気になるのはやはり、「どんな結婚式をしているか」ですよね?
出典: IWAI OMOTESANDO
2-1. 私からあなたへ。ダイレクトに気持ちを届けるポスト
IWAI OMOTESANDOの館内に入ると目に入るのが、コンクリート造りのポストです。ここには、最大70人のゲストに宛てた手紙を入れます。
「大切な人へ感謝の気持ちを伝えたい」と考えるおふたりも多いでしょう。実際に結婚式では、披露宴やご両親への手紙など感謝を伝えるシーンが用意されています。しかし、一人ひとりのゲストへ結婚式の限られた時間内に感謝の言葉を届けることは、案外難しいもの。なんだかんだ慌ただしくて、ゲストに伝えられなかった想いがあるという人もいるのです。
IWAI OMOTESANDOでは、招待するゲスト一人ひとりに向けたサンクスレターを、事前に用意します。だからその人との間にしかない出来事や感謝の想いをつづることができるのです。
IWAI OMOTESANDOのポストでは、その人のためだけに宛てた手紙が確実にその相手に届く、そんな唯一無二のつながりが感じられるでしょう。
出典: IWAI OMOTESANDO
2-2. 会話のネタにも! レターギャラリーで触れるふたりの人生
ゲストに手紙を届けるポストの先へ進むと、これまでのふたりの人生をつくってきた思い出の品々が並ぶフロアが見えます。ここはポストの空間と合わせて「レターギャラリー」と呼ばれる場所です。
結婚式において、自分が呼ぶゲストはパートナーの知り合いでないこともあると思います。だから自分だけでなく、パートナーの人柄をゲストに知ってもらう機会になればと、この空間はつくられました。
通知表やお父さまから生まれて初めてもらったプレゼントなど、飾られる展示はさまざま。どの結婚式でも、新郎新婦の“人となり”がじんわりと伝わってくるんだとか。だから挙式後のパーティーでは、パートナーがその日まで会ったことのないゲストと楽しくおしゃべりすることも珍しくないそうです。
自分たちの“人となり”に触れてもらう時間は、自分とゲストだけでなく、パートナーとゲストをも結んでくれるでしょう。
出典: IWAI OMOTESANDO
2-3. 人生を振り返りながらたどり着く、ファーストミート
IWAI OMOTESANDOには、家族のつながりを強くしてくれる空間も。それが、挙式会場“セレブレーションホール”までの通路です。
この道は、これまでの結婚式場ではあまり見たことのない造り・デザインをしています。まず全体的に薄暗く、照明は等間隔に灯るスポットライトのみ。そして少しの傾斜がついているのです。
なぜ、このような空間をつくったのでしょうか。その理由は、この道で「人生」をあらわしたかったからだそう。
山あり谷ありと表現されるように、明るい時もあれば暗い時もある人生。それを挙式会場までの道のりで表現しているのです。この通路を歩けばきっと、ふたりはもちろんご両親も、家族で歩んできたこれまでの人生を振り返られるでしょう。
そして挙式会場では、ファーストミートも行われます。これまでの人生を振り返った先でふたりの晴れ姿を見たご両親はきっと、ご自身の人生をも祝福できると思うのです。
出典: IWAI OMOTESANDO
2-4. 温度感そのままに。ゲストの声が響くセレブレーションホール
ファーストミートでも使われる挙式会場は、なんとも特徴的です。
小さな円の小窓が1つの空間は、まるで薄暗い洞窟のよう。装飾も季節の花が中央に飾ってあるのみなので、ふたりの門出を祝う場としてはシンプル過ぎるようにも思えます。
しかしこの空間にも、もちろんワケがあるのです。
まず目移りする美しい装飾が少ないため、ふたりの晴れ姿がよく映えます。そしてなんといっても印象的なのが、席の構造。なんと新郎新婦のゲストが中央に向き合って座るスタイルを採用しているのです。
この席のつくりをいかして行われるのが、ゲストからの手紙。新郎新婦は自分のゲストが座る反対側の一番後ろに立ち、そのメッセージを受け取るのです。
洞窟のような空間では、ゲストの声がマイクなしでもよく響くため、気持ちの高ぶりがそのまま伝わります。その温度感がシンプルな空間にふたりらしい色をつけてくれ、今日ここにしかない挙式をつくりあげてくれるのです。
出典: IWAI OMOTESANDO
2-5. 視界から境界線をOFF。高砂なしのフラットなウエディングパーティー
ふたりとゲストの気持ちが通い合う挙式で心温まったあとは、そのまま披露宴へ。
ちなみに、IWAI OMOTESANDOでは「披露宴」という言葉を使いません。「結婚式はふたりを披露する場ではない」という考えから、ウエディングパーティーと呼んでいます。
そんなIWAI OMOTESANDOのウエディングパーティーには、ふたりを主役だと感じさせるある空間がありません。それは、「高砂」です。ふたりの席は、ご家族もご友人も会社の上司や同僚も座る長テーブルの中にあります。このように「ゲストと主役」というこれまでの結婚式にあった境界線を視覚からなくすことで、「ゲストと一緒に楽しむ結婚式」を体現しているのです。
また空間全体にも、リラックス感が漂います。その理由は、自宅のリビングにいるようなコンパクトな空間だから。ゲストとの距離の近さが、日常の延長線上にある特別な1日をつくってくれるのです。
そしてこのゲストと一緒に楽しむパーティーができる秘けつは、空間だけにとどまりません。
まずは、みんなが楽しみにしている料理。なかでも注目を集めるのが、釜炊きごはんです。「同じ釜の飯を食う」ということわざにもあるように、食には人と人とを結びつける力があると考えるIWAI OMOTESANDOでは、分かち合える料理こそがお祝いにふさわしいと、フルコースの1品として釜炊きごはんがふるまわれます。
そして、ゲストが動きまわりたくなる気持ちをかきたてる工夫も。なんと、ゲスト向けプチフォトスタジオの用意が可能なのです。ここでは専属カメラマンが、ふたりの結婚式のためにおめかしをしてきてくれたゲストの姿を、本格的なセットで撮影してくれます。スマホや持参したカメラで撮るスナップショットとはちがう、とっておきの思い出を残してもらえるこの取り組みは、大人気。ゲスト同士の新たなコミュニケーションが生まれる場にもなっているそうです。
このようにIWAI OMOTESANDOには、「人と人とをつなぐ」結婚式を届けるための、徹底的に計算された空間と時間が用意されています。
出典: IWAI OMOTESANDO
3. ゲストとの思い出を振り返った準備期間。その想いがあふれる進行なしのウエディング
さて、ここまでの内容を読んで、IWAI OMOTESANDOの結婚式は「これまでにない体験ができそう」だと感じたと同時に、「準備や進行を考えるのが大変そう」だと感じた人もいるかもしれません。
しかし、IWAI OMOTESANDOの結婚式の準備プロセスは3ステップ。これまでの結婚式で当たり前とされていた、招待状のデザインやドレス・アイテム、演出、BGM、引き出物、ゲストのリストアップなどを選び決めていく作業を、思いきって削減したのです。
3ステップのはじめは、ヒアリング。ここではふたりの人生をじっくりとひも解いていきます。ふたりのことはもちろん、ふたりのこれまでに欠かせなかった大切な人たちのことまでじっくり聞き取り、おふたりがこれからその人たちとどんな関係を築いていきたいかまで、しっかりと引き出してくれます。
招待状は、ふたりにもゲストにも利便性の高いWEBシステムを採用。送信と返信、そしてリストアップにかかっていた時間を、大幅に減らせます。もちろんオリジナルデザインの紙招待状にも対応してくれますよ。
そして2ステップめは、ヒアリングから導き出した結婚式当日の流れの提案。単に当日の流れだけでなく、ふたりの人生と結婚式がどのようにしてつながっていくのかを提案してくれます。
もちろん当日にしたい演出や着たいドレス、取り入れたいアイテムなどの相談も可能です。さらに、ドレスやアイテムの持ち込みが無料という、うれしいポイントも。自分が気に入ったものを持ち込めるので、式場が用意するカタログを見て悩む時間を減らせます。
そして3ステップめは、サンクスレターの用意。レターギャラリーのポストに入れる、ゲスト一人ひとりに向けた言葉を、ここで紡ぎます。思い切って結婚式準備の作業工程を減らしたぶん、ゲスト一人ひとりに向けた想いの整理に時間をあてられるのです。
ただここで、「いろんなことがざっくりと決まっている状態なので、当日の進行が不安……」と感じた人もいるのではないでしょうか。実際にIWAI OMOTESANDOでは、リハーサルも紙面で確認するだけという大胆な手法を採っています。なぜこのようなリハーサルを採用したかというと、ふたりが結婚式を自由に進行するスタイルを大切にしているからです。
分単位で進行が決まっていることが多い、結婚式。せっかく楽しくゲストと話していたのに、次のプログラムや演出、お色直しのためにその場を離れなければならない、なんてことも珍しくありませんでした。これではふたりとの交流を楽しみに来てくれたゲストに、残念な思いをさせかねませんし、自分たちもゆったり楽しめませんよね。
だからIWAI OMOTESANDOは、あえて結婚式の進行を決めていないのです。パーティーで使える2時間半の時間配分は、ふたりに委ねられています。だからその時の気分や温度感をいかして、柔軟にバーティーを進められるんです。
また、ふたりがほとんど会場をはなれず自由に歩き回るため、ゲストも動きやすいというメリットも。あえて進行を決めないことは、みんなが主体的に楽しむ時間づくりに有効なのです。
出典: IWAI OMOTESANDO
4. まとめ|大切な人とともに過ごす時間が、私たちにとって最高のお祝いだと感じられる結婚式を
IWAI OMOTESANDOが大切にしている結婚式の在りかたはきっと、「大切な人さえそこにいれば、その時間がお祝いになる」ということではないかと、今回の式場取材を通して感じました。
おふたりがゲストを大切に想うように、ゲストもおふたりを大切に想っているでしょう。きっと、ふたりの新たなスタートを心からお祝いしたいはずです。
だからその気持ちに応えることこそが、「ゲストも心の底から楽しめる」結婚式づくりに必要ではないでしょうか。
華やかな装飾や演出でも、ゲストは喜んでくれると思います。ただ案外、ふたりと語り合ったり写真を撮ったりおいしいごはんを食べたりするだけの時間が、みんなにとって最高にすてきなお祝いのひとときになるのかもしれません。
トキハナでは、元ウエディングプランナーが結婚式場に独自の取材を行い、結婚式のプロであるプランナーならではの信頼できる情報をストックしています。『IWAI OMOTESANDO』について、ネットや口コミよりリアルな情報を知りたい方は、トキハナの相談カウンターを気軽にご利用くださいね!
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