親としてはこの上ないほど喜ばしい、我が子の結婚式。だからこそ当日は完ぺきに振る舞いたいですよね。とくに気になるのが、いつ、誰に、どんな挨拶をしたらいいの?という点ではないでしょうか。
この記事では、結婚式で親が挨拶するべき10シーンを当日のスケジュールに沿ってご紹介。また、当日までに確認しておくことと、当日にすべきことを解説します。初めての我が子の結婚式に備えてシミュレーションしておきましょう。(文:まゆ)
目次
1. 当日までに新郎新婦に確認しておくこと
結婚式当日は、実はほとんど新郎新婦と話す時間がありません。また、結婚式1ヶ月前を切ると二人は忙しさで心の余裕もなくなりがちです。
確認したいことがあれば、新郎新婦が打ち合わせの時に式場スタッフへ聞けるよう、早めに二人に伝えておくと安心です。例えば次の5点は、多くの親御さまが気になさるポイントです。
《結婚式までに確認しておくと良い5つのポイント》
①相手方の親の衣装
両家の親の衣装は、ある程度合わせるのが一般的です。最低でも和服・洋服どちらにするのかは新郎新婦に聞いておきましょう。
両家のお母さまが同じショップで別々にレンタルする場合は、お母さま同士で衣装がかぶらないよう、ショップスタッフに確認するのもお忘れなく。
②式場までの交通手段・駐車場の有無
直前まで見落としがちなのが式場までの交通手段です。式場に近い主要駅からシャトルバスが出ているなら、時刻表を確認して親族でシェアしておきましょう。
また、車で会場入りする親族がいる場合は、式場に専用駐車場があるかどうか確認して連絡をしておきましょう。
③お車代・心付け(お礼)
遠方からゲストを招待する場合、新郎新婦の会社の同僚や友人には二人からお車代や心付けを用意するのが一般的ですが、親族のお車代などは親御さまが用意することが多いようです。
また、お車代や心付けは受付に預けるのか、ご自分で直接渡すべきかなども事前に考えておきましょう。
④会場への入り時間
結婚式当日は何時に会場入りすればいいのか、新郎新婦に必ず確認を。入り時間の目安としては次の通りです。
✔和服の着付けやヘアセットを会場で行う:挙式開始の2~3時間前
✔そうでない場合:1時間30分~2時間前
ただし新婦の母は、控え室で身動きが取れない新婦の代わりに様々なサポートができるよう、新婦と一緒に会場入りする方が多いようです。
⑤ゲストの大まかな把握
当日初めて会うゲストがほとんど、という親御さまも多いでしょう。式の1か月前には席次表ができ上がるはずですので、席次表を見ながら誰がどんな人なのかを大まかに把握しておきましょう。披露宴中の挨拶まわりの時に、一人ひとりにスムーズで適切な挨拶ができるのでおすすめです。
2. 式場に到着したらすべきこと
いよいよ結婚式当日。式場に到着したら真っ先に次の2つの挨拶を。
【挨拶シーン①】相手方の親御さまに挨拶する
まずは相手方の親御さまに挨拶しましょう。相手方の親御さまとは、顔合わせや結納の席を含めてまだ数回しか会っていない、という方も多いことでしょう。簡単な近況報告も兼ねて、今日という佳き日を迎えられた喜びを分かち合いましょう。
【挨拶シーン②】式場スタッフに挨拶する
当日お世話になる式場スタッフ(ヘアメイク、介添人、ウェディングプランナーなど)へも、最初に挨拶をしておくのがマナーです。心付けは式が始まるまでに渡すと良いでしょう。
ただし、最近は心付けを遠慮している式場が多いので無理強いは禁物。どうしても受け取って欲しい場合は、お金ではなくお菓子などのギフトにすると、スタッフも受け取り易いかもしれません。
3. ゲストが集まり始めたらすべきこと
挙式開始1時間前になると、ゲストが徐々に集まり始めます。この約1時間の間に親御さまがすべき挨拶は次の3つです。
【挨拶シーン③】受付係に挨拶する
受付係のゲストが到着したらまず挨拶を。この時、次のことを申し送りしておきます。
✔新郎新婦から預かっているお車代や心付けを、渡す人のリストと一緒に託す
✔受付後にご祝儀を預かる人(新郎新婦の兄弟姉妹などが適任)を紹介する
【挨拶シーン④】主賓に挨拶する
主賓や乾杯の発声をお願いしているゲストが到着したら挨拶します。ただ、主賓の名前と顔が一致しないことも多いでしょう。その場合は、該当するゲストが到着したらすぐに知らせてもらうよう、式場スタッフへお願いしておくと挨拶のタイミングを逃すことがありませんよ。
【挨拶シーン⑤】親族に挨拶する
親族が集まり始めたら、親族控室へ挨拶に行くのも大切な役割です。このタイミングでは、相手方の親族控室に顔を出す必要はありませんが、相手方の親族から挨拶された場合はにこやかに応対しましょう。
親族への挨拶は挙式リハーサルの前に済ませておきますが、挙式リハーサル中の親族対応が気になる場合は、新郎新婦の兄弟姉妹や気の置けない身内にお願いしておくと安心です。
4. 挙式前にすべきこと
主要ゲストへの挨拶が一通り終わったら、挙式前に次のことを行います。
♠挙式リハーサル
新郎新婦とともに挙式のリハーサルを行います。最近は、挙式で親も多くの役割を担う場合が多くなっています。挙式担当のスタッフがしっかりと説明してくれますので、わからないところがあったら、その都度質問しておきましょう。
♠親族紹介(ある場合)
挙式リハーサルの後に両家の親族が集まって、親族紹介を行う場合があります。式場によって行うタイミングが異なるため、事前に二人に確認しておきましょう。
親族紹介は、両家の代表(主に新郎新婦の父)が取り仕切るのが一般的です。まず新郎側から、家族、血縁の近い親族から遠い親族の順に、一人ずつ名前と新郎新婦との続柄を、相手方の親族に紹介します。メモを見ながらでも大丈夫ですよ。
♠祝電のチェック
祝電は基本的には新郎新婦がチェックして、披露宴で披露するものを決めます。ですが、中には親御さま宛の祝電も届く場合があるので、その場合はチェックを行います。
5. 挙式中にすべきこと
挙式には大切な家族も参加してほしい、と考える新郎新婦が増えています。そのため親御さまの役割が挙式中にある場合も多く、主に次のようなシーンが考えられます。
♠キリスト教式・人前式の場合
キリスト教式では花嫁の父が、花嫁と一緒にバージンロードを歩くのはご存知の通り。新婦の希望によって、新婦の母がベールを下ろす「ベールダウン」のセレモニーを行うことも多くなっています。
人前式の場合は二人のオリジナル演出が組み込まれていることも多く、親御さまの役割も様々です。「親にもサプライズを」と思う新郎新婦も多いので、詮索し過ぎは良くありませんが、「当日何か役目はある?」と聞いておくと安心ですね。
♠神前式の場合
儀式の終盤、玉串を神前に捧げる「玉串奉奠(ほうてん)」のシーンでは、新郎新婦に続き両家代表として、両家の父が役目を果たすのが一般的です。
また、入場前に新婦の母から手紙とお守りを入れた「筥迫(はこせこ)」を新婦の胸元に差し込む「筥迫の儀」を行うこともあります。いずれも神妙な雰囲気が漂う様式だけに、当日緊張しないよう、どんな役目があるのか把握しておくと良いでしょう。
6.披露宴中にすべきこと
披露宴では新郎新婦と同じくらい、親御さまにも主役としての役割があります。また、披露宴の主催者=ホスト側であることを心に留めて振る舞いましょう。
【挨拶シーン⑥】ゲストの挨拶を受ける
披露宴中は、主賓挨拶、乾杯挨拶、友人たちからのスピーチなど、ゲストからの挨拶のタイミングが多々あります。
その時は新郎新婦と同じく、両家の親御さまも起立しましょう。ゲストから「どうぞお掛けください」などの一言があれば、スタッフに椅子を引いてもらって着席します。スピーチ中は飲食や歓談を控えるのがマナーです。
【挨拶シーン⑦】挨拶まわり・お酌
食事歓談時間に入ったら、ゲストへの挨拶まわりを行います。ただ、プログラムによって適切なタイミングが異なるため、挨拶まわりのタイミングがきたら教えてもらえるようにスタッフへお願いしておきましょう。
✔挨拶まわりの順番は?
自分側のゲスト→相手側のゲストの順に、挨拶にまわります(親族を除く)。まずは上席(主賓、乾杯の発声をお願いしたゲスト)。次に職場の同僚、友人…の順番にまわり、自分側のゲストが一周できたら、相手側のゲストへ同じ順番で挨拶してまわります。最後に自分側の親族と相手側の親族のテーブルをまわります。
✔お酌はするもの?
挨拶まわりの時は、瓶ビールなどでお酌をします。
逆に、ゲストからお酌を受けた場合は、飲めなくても軽くグラスに口をつけるのがマナーです。ただ、披露宴中も親の出番は多いので、飲み過ぎないように注意しましょう。スピーチや余興などが始まったら挨拶まわりは中断して、自席に戻ります。
披露宴中の挨拶まわりは、親御さまにとって重要な役割です。主賓や結婚式をサポートしてくださるゲストはもちろん、日ごろ新郎新婦がお世話になっているゲストを事前に把握して、感謝を伝えられるよう準備しておきたいですね。
【挨拶シーン⑧】両家代表による謝辞
披露宴の締めくくりとなる挨拶が、両家代表による謝辞。両家を代表して新郎の父が挨拶するのが一般的で、次のような流れで行います。
両家両親が会場の後方へ移動
→花嫁による手紙の朗読
→新郎新婦から両親へ、花束や記念品の贈呈
→両家代表による謝辞
謝辞の時間は2〜3分程度と長くはありませんが、よくある失敗例としては、飲みすぎたり、長く取り止めのない挨拶になってしまうこと。後に控えている新郎による謝辞に響かないよう、シンプルでいて中身のある挨拶を心がけましょう。事前に原稿を用意されるお父さまも多いですよ。
【挨拶シーン⑨】送賓の挨拶
両家代表による謝辞に続き、新郎による謝辞が終われば、おひらきです。新郎新婦に続いて退場し、記念撮影、ゲストの送賓準備に入ります。
送賓時は新郎新婦と両家両親が一列に並び、ゲスト一人ひとりをお見送りします。この時あまり長く話し込んでしまうと、ゲストの列が滞ってしまうため、軽く挨拶する程度にしておきましょう。
7. 披露宴終了後にすべきこと
こうして無事、披露宴が終了。ホッとひと息つきたいところですが、最後の挨拶をお忘れなく。
【挨拶シーン⑩】スタッフに挨拶
結婚式の総合責任者であるウェディングプランナーを始め、会場を取り仕切ってくれたキャプテン、司会者や、カメラマンなどに、お礼を伝えましょう。「今日は本当にありがとう」のひと言を伝えるだけで、親御さまにとっても良い締めくくりになると思います。
ところで、会場まで車で来場する場合は、新郎新婦の荷物を預かって持ち帰ってあげると、二次会会場へ移動する二人にとっては有難い場合があります。後日に双方が行き来できる距離なら、荷物の持ち帰りの提案をすると喜ばれますよ。
8. まとめ|新郎新婦をサポートし、ゲストに感謝を伝えましょう
結婚式当日の進行スケジュールに従って、親御さまが挨拶すべきポイントなどをご紹介しました。こうして見ると、親は結婚式の影の立役者ということがわかりますよね。
二人にとっては親も大切なゲストですが、ゲストから見れば親はホスト側です。そして、結婚式をする当の二人は、何もかもが初めて。「ゲストに失礼がないか」と心配する気持ちは、新郎新婦も同じのはずです。
だからこそ、当日は忙しい二人の代わりに親御さまがしっかりもてなし、至らない部分はサポートして、二人を安心させてあげられるよう努めましょう。
ゲスト一人ひとりへの感謝の気持ちが、礼儀ある行動の源になるはずです。その気持ちを大切に、当日はリラックスして臨んで下さいね!
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