結婚式の披露宴では、入退場や演出シーンに合わせて音楽を流したりスポットライトを照らしたりして、華やかな雰囲気を作り出すことができます。
何となくイメージは出来ても、実際にはどうやってBGMを選んでいるの?といったことや、選んだ曲を誰がどんなふうに操作してくれるの?といったことまでは、わからないものですよね。
結婚披露宴の音響について、その効果と打ち合わせの流れ、費用についてご紹介します。
(文:桑田千寛)
目次
1. 音響で一体感を演出!こうして結婚式は成功に導かれる
結婚式の音響は、照明と連動して演出効果を高めるために使われます。早速、具体的なシーンの音響を見てみましょう!
♠新郎新婦入場
披露宴のはじまりを告げる司会者のアナウンスに合わせて照明が下がり、入場曲のスタート!曲中のベストタイミングでドアオープンし、スポットライトに照らされた新郎新婦の姿が見えると、ゲストから大きな歓声と拍手が起こります!
♠ゲストの余興
余興の内容に応じて選曲をし、音楽と照明が連動して余興を盛り上げます。その他、ムービー上映の操作なども音響スタッフが行います。
♠歓談時間のBGM
新郎新婦がゲストと写真撮影をしたり、食事や会話を楽しむ歓談時間にも、BGMは途切れることなく流れています。披露宴中盤には気分をより高揚させるアップテンポな音楽を流します。
♠クライマックスシーンへ
花嫁の手紙など感動のクライマックスシーンに向けて流す音楽は、自然と和やかな雰囲気になる音楽を選曲。このように、次のシーンにつなげる雰囲気づくりが音響によって実現します。
こうして、披露宴全体が音響効果によって雰囲気作られ、ふたりの想像を超える感動が届けられますが、その背景にはスタッフ同士の密な連携が存在します。主に開宴前のミーティングでは、キャプテンと呼ばれる披露宴の指揮官にあたる責任者を中心として、司会者、プランナー、音響スタッフ、配膳スタッフ全員が集合。
各進行内容をどのように演出するかといったことはもちろん、新郎新婦ふたりがどんな想いで結婚式準備を行ってきたかということを踏まえて、司会者のアナウンス紹介の仕方や音楽を入れるタイミング、照明のバランスなどが話し合われ、ふたりが思い描く結婚式の成功に向けて全スタッフの士気が高められているのです。
2. 披露宴のBGMはどうやって選ぶの?結婚式打ち合わせの流れ
新郎新婦が選んだ披露宴のBGMは、入退場や乾杯、ケーキカット、キャンドルサービス、花嫁の手紙、花束贈呈など、披露宴の主要なシーンで流れます。披露宴の内容によって選曲数も変わってきますので、ある程度、進行内容が決まった打ち合わせの最終段階でBGMを決定していきます。
BGMの選び方は結婚式会場によって違いがありますが、一般的には会場のおすすめBGMリストから選ぶことができます。リスト内の曲は式場で準備してもらえますが、BGMリストに記載がない曲は、自分たちで準備する場合と、式場で準備してもらえる場合があります。
また、結婚式会場によっては、外部提携の音響スタッフを式場に呼んで新郎新婦と直接BGM打ち合わせを行い、希望するイメージを伝えながら好みの音楽を選曲してもらえる場合もあります。
3. 音響費用と音楽著作権について
結婚披露宴の音響費用は、会場によって取り決めがあります。また、結婚式のBGM選びに欠かせない音楽著作権についても知っておきましょう。
♠音響・照明・映像設備の使用料
結婚式会場には、スピーカーやミキサー、マイク、CDプレーヤーなどの音響設備の他、映像上映に必要なDVDプレーヤー、プロジェクター、スクリーンなどの設備が整えられています。
設備内容は各会場によって異なることと、音響・照明スタッフが自社スタッフor外部スタッフの違いにより人件費が異なるため、音響・照明・映像設備の相場は、3~10万円と会場によって大きく異なります。
見積もり内容の項目に音響・照明・映像設備の使用料が明記されていない場合には、披露宴会場の使用料に含まれているのか、または別途費用が必要になるのかを確認する必要があるでしょう。
♠著作権料と著作隣接料
音楽には“著作権”があり、結婚式でその音楽を利用するには、作曲家への著作権料や実演奏するアーティストへの著作隣接料の支払いが必要となります。
具体的に言うと、入退場やケーキカットなどの演出シーンでBGMとして演奏利用する場面と、映像制作のために写真や動画に音楽を挿入して複製利用する場面があり、用途や利用する楽曲の長さ、利用曲数によって料金が異なります。
結婚式会場がJASRAC(ジャスラック)などの著作権管理業者や、ISUM(アイサム)という音楽の複製利用代行を行う機関に加盟していれば違法性なく利用することができますので、まずは確認を。
ただし、契約・加盟の確認が取れた場合でも、レンタルCDやダウンロードした音源をオリジナルでCD-Rに焼いて利用するなど複製利用する場合には、基本的に料金がかかりますので、担当プランナーに金額の確認をしましょう。
4. まとめ|音楽は、一瞬にして全員の気持ちをひとつに!
結婚式には、多くのゲストが集まりますが、食事やアルコールの進み具合は人によって違いがあります。また、写真をたくさん撮りたい方、新郎新婦とたくさん会話をしたい方など、ゲストによって楽しみ方は様々。
自然な流れでゲスト全員の注目を集めて一体感を出すのは難しいものですが、披露宴の場面転換では、照明を下げることで次のシーンに移ることをゲストに予期してもらい、音楽を切り替えると、一瞬にして全員の気持ちをひとつにすることが可能になります。
新郎新婦によって披露宴の規模や内容は違うもの。かかる費用も変わってきますから、自分たちに必要な範囲で会場設備を利用させてもらいましょう。