結婚式に参列する際に持参するご祝儀。「どのくらいの金額を包んでいけばいいの?」「ご祝儀袋の種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない……」など、悩むこともたくさん。
ご祝儀の相場やマナー、事前に準備するものから、当日の受付の流れをご紹介します。
(文:三島莉永)
目次
1. ご祝儀の金額相場はどのくらい?
結婚式のご祝儀は、「奇数」の金額を包むと良いとされています。割り切れてしまう「偶数」や、4や9などは縁起が悪いということで、避けるのがマナーです。
具体的な金額の相場は、新郎新婦との間柄によって異なります。
【3万円】友人・知人・会社の同僚など
【5~10万円】兄弟・姉妹・親族
【7万円】夫婦で参列する場合
自身が未成年の場合や、結婚式に出席しない場合は【1万円】が相場といわれています。しかし、あくまで上記の金額は目安。「事情があってご祝儀を多く包めない……」という方もいらっしゃいますよね。
ご祝儀は〝お祝いの気持ち〟が一番大切ですから、無理のない金額を包みましょう!例えば2万円なら、お札の枚数が偶数にならないように、1万円札を1枚と5000円札を2枚にして包むとよいでしょう。
2. 用意するもの(ご祝儀袋・袱紗etc.)
結婚式のご祝儀は、次のものを準備します。
♠新札
結婚祝いなどお祝いごとで包むお札は新札を使用するのがマナー。事前に銀行などで、新札に両替しておきましょう。「忙しくて銀行にいく時間がない!」という方は、お札にアイロンをかけてもOK。お札のシワがしっかり伸びて、新札のような仕上がりになります。
♠ご祝儀袋
結婚祝い用のご祝儀袋は、「のし」と「水引(みずひき)」が付いているものを選びましょう。水引の結び方や、包む金額によってご祝儀袋の種類も異なるので注意が必要です!(詳細は後述の「3.ご祝儀袋を選ぶポイント」をご参照ください)
♠筆ペン
ご祝儀袋の表書きに名前を書く際は、濃い黒の筆ペンで。ボールペンやサインペンはNGです。また、同じ筆ペンでも薄い黒は不祝儀用なので間違わないように。
♠袱紗(ふくさ)
ご祝儀袋を汚さずに持ち運ぶために、袱紗(ふくさ)に包んで持っていくのがマナーです。受付でお渡しする際も丁寧な印象になります。
色は暖色系の明るい色のものか、慶弔どちらにも使用できる紫色を。袱紗が用意できなかった場合は、ハンカチやふろしきなどを代用するのもよいでしょう。
3. ご祝儀袋を選ぶポイント
ご祝儀袋は主に、文房具店や雑貨店、コンビニや100円ショップなどで購入できます。
前述したように、結婚祝い用のご祝儀袋は、「のし」と「水引」が付いているものを選びます。
水引は〝一度結んだら解けない〟という意味がある「結び切り」か「あわじ結び」のご祝儀袋を選びましょう。「蝶結び」の水引は“何度でも結び直すことができる”ため、結婚祝いには不向きです。
また、「包む金額」と「ご祝儀袋の豪華さ」のバランスも意外と大事です。包む金額が多いほど、豪華な装飾のご祝儀袋を使用します。最近は、ご祝儀袋のパッケージに包む金額の目安が記載されていることも多いので、そちらを参考にして選ぶのがおすすめです。
新郎新婦が親しい友人の場合は、新郎新婦の好きなキャラクターや、カラフルなデザインのご祝儀袋を選んでもOK。上司など目上の人に渡す場合や、ホテルなど格式ある式場で披露宴が行われる場合は、紅白など正式なデザインが無難です。
4. 表書きや中袋の書き方
ご祝儀袋を買ったら、次は表書きや中袋の準備をしましょう。
♠表書き
表書きの名目(「寿」「御結婚御祝」など)は、最近では既にプリントされているものも多いですが、自分で書く場合は水引より上の部分に名目を記入します。自分で書く場合は、文字数も縁起の良い奇数にしましょう。
水引より下の部分には、贈り主の名前をフルネームで記入します。友人同士や会社のメンバー、夫婦など2~3名以上で贈る場合はそれぞれマナーがあります。
*友人同士:右から五十音順に並べて記入
*会社のメンバーなど:右に目上の人の名前を書き、その後は左へ順に記入
*夫婦:夫の名前を右側に、妻の名前を左側に記入
4名以上で贈る場合は、中央に代表者の名前を書き、左側に「外一同」と記入。全員の氏名を別紙に書いて、中袋に同封します。
♠中袋
中袋の表面には、「金○萬円」と包む金額を記入します。金額の数字は略字ではなく、旧字体を使うのが正式です。
《各略字の旧字体》*右側が旧字体です
一|壱
二|弐
三|参
五|伍
七|七
八|八
十|拾
万|萬
中袋の裏面には、住所と名前を記入します。これは、新郎新婦がご祝儀を整理する際に必要となります。本来は表書きと同様に中袋も筆ペンを使って記入するのが理想ですが、文字数も多いためサインペンなどで記入してもOK。
表書きと中袋の記入が済んだら、お札の表面(人物が印刷されている面)が上になるように揃えて中袋に入れ、上包みで包んで水引を通します。
その際、上包みの裏側は、上向きに折り返されている方を表にします。下向きに折り返されている方を表にするのは、弔事の場合ですのでご注意を。
5. 結婚式当日の受付の流れ
結婚式場に到着したらすぐ、ご祝儀を受付にて係りの方にお渡しします。
①まずは受付で一礼して、「本日はおめでとうございます」とお祝いの言葉を述べます。
続いて、新郎新婦どちら側のゲストであるかわかりやすいように、「新郎(新婦)の友人の○○と申します」と名乗ります。
②袱紗からご祝儀を取り出し、袱紗を畳んで受付台の上などに置きます。ご祝儀袋の正面を相手に向けて、「心ばかりのお祝いでございます」など一言添えながら両手でお渡しします。
夫婦や友達同士など連名でご祝儀を渡す場合は、代表者の方が渡しましょう。
③受付係の案内に沿って、芳名帳に名前と住所を記帳します。芳名帳には必ず自分で記帳しましょう。代筆はマナー違反になります。
夫婦や家族で記帳する場合は、代表者が住所と姓名を書いて、他の家族はその横に名前を書きます。
④芳名帳を書き終えたら、席次表など配布物を受け取り、控え室で待機しましょう。
遠方から参列する場合は、受付時に交通費としてお車代を渡されることがあります。お車代は新郎新婦の気持ちで贈られるものなので、渡されたら「ありがとうございます」とお礼を伝えて受け取りましょう。後日、新郎新婦にお車代のお礼を伝えるのを忘れずに!
6. まとめ|マナーを押さえた上で、自分らしいスタイルでお祝いを
一口にご祝儀といっても、さまざまなマナーがあります。特にご祝儀袋は新郎新婦の他、親族の方の目にも触れるものなので、マナー違反にならないよう気を付けたいものです。
しかし、一番大切なのは〝お祝いの気持ち〟。守るべきマナーはしっかり押さえつつも、ご祝儀袋を新郎新婦の好みに合わせて選ぶなど、自分らしいスタイルを取り入れて新郎新婦をお祝いしましょう!