結婚式は、2人が新しい家族としての第一歩を歩む大切な日。しかし、2人だけのものではなく、家と家との絆を結ぶ大切な儀式です。両家それぞれの親御さんに意見を聞かなければ、進められない準備もあるのです。 親御さんの意向を確かめずに2人だけで物事を決めてしまった結果、あとでいろいろと変更を余儀なくされて大変だった…という話もよく耳にします。 そこで今回は、ウエディングプランナーの経験をもとに、親御さんと相談しておいたほうがよい12の項目をピックアップ。会場決定までに相談したいこと・結婚式の準備期間に相談すること・結婚式当日までに相談しておくことの3段階にわけてご紹介します。 (文:YUMIKO)
1. 会場決定までに両家の親と相談しておきたい4項目
結婚式場の相談カウンターやブライダルフェアに行って、理想の会場を決める前にまず、親御さんと相談したいことは次の4項目。会場の選び方にも影響がある項目ですので、ぜひチェックしておいてくださいね。
①結婚式の日程
②招待する親族
③宿泊とアクセス
④援助金
①結婚式の日程
誕生日や記念日などに合わせて結婚式の日程を考えている方もいるでしょう。でも、少なくとも「季節」と「お日柄」については、親御さんの意向を確かめることが先です。
「季節」は、ゲストの皆さんに喜ばれる春・秋の結婚式シーズンにしてほしいと思っていらっしゃるのか?あるいは、オフシーズンで費用が抑えられるなら夏・冬でもOKなのか?これによって結婚式の費用が変動しますから、必ず両家の意向を確かめましょう。
「お日柄」と言われる大安・友引・仏滅などの六輝・六曜に関しても、両家の意見をヒアリングしておきましょう。最近は、お日柄を気にしないというカップルも多く、「仏滅割引」で安くなるから、と勝手に決めてしまいトラブルになった、という事例もあります。とくに祖父母の世代は、お日柄を気にされる方が多いですよ。
②招待する親族
親族との関係性については、親御さんじゃなければわからないことがあるものです。招待する親族を勝手にリストアップするのではなく、まずは、それぞれの親御さんに確認を。
そうしないと、見積もりを取った後で親御さんの意見によって親族の人数が大幅に増減し、結婚式の費用が把握しづらくなるどころか、せっかく気に入って決めた会場が人数の都合で利用できなくなることも考えられます。
③宿泊とアクセス
招待するゲストが遠方にお住まいの場合は、宿泊の手配が必要になることがあります。もちろん、友人ゲストの場合も遠方から来てくれるなら宿泊面のケアが必要ですが、親族ゲストに関してはまず親御さんに相談しましょう。
結婚式を挙げる会場と、宿泊するところは同じほうがいいのか?あるいは、会場近くのホテルを予約できればOKなのか?とくにご高齢の親族がいる場合は、慣れない土地で歩き回ることを考えると同じ場所のほうがよさそうです。
同じように遠方から親族を招待する場合は、アクセスの良さを気にされる親御さんが多いようです。主要駅や空港からのアクセスについても親御さんと相談し、時間に余裕をもって来ていただける場所を選ぶことも大切です。
④援助金
「親の援助なしで、自分たちで結婚式を挙げたい」と言うカップルが増えている反面、「親として、何らかの援助がしたい」とおっしゃる親御さんはまだまだ多いものです。お金のことは聞きにくいから…などと放置せず、援助していただけるかどうか尋ねてみてはいかがでしょうか。
親御さんに援助してもらえるかどうかによって、選べる会場のランクも変わってきますし、自分たちがいくらくらい用意すればいいか考える目安にもなります。援助金の確認と同時に、ご祝儀を結婚式の費用として考えるかどうか、そのあたりをトータルで相談しておくと、結婚式の予算が立てやすくなりますよ。
2. 結婚式の準備期間に親御さんと相談しておきたい5項目
結婚式場を申し込んだ後は、結婚式の準備が具体的に進んでいくため、親御さんと相談することもさらに多くなります。
⑤招待状の差出人
⑥料理・引出物の内容
⑦結婚式費用の分担
⑧お車代の手配
⑨衣装と着付けの手配
⑤招待状の差出人
日本の結婚式の慣例として、招待状は両家の親御さんが連名で出していました。これは、結婚=○○家と△△家のもの、という考え方があったからで、そのため両家の家長である親御さんが主催者だったのです。ごく最近まで一般的な考え方だったので、「親の名前で出すものだと思ってた」という方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。
近ごろは「2人で好きなように、と親に言われているから」と、2人の名前で招待状を出す方もいらっしゃいますが、先に述べたような理由から、親御さん世代のゲストが2人からの招待状を受け取ったら「え?」と驚かれることも多いでしょう。
自分たちの名前で招待状を出したい!という方は、まず親御さんの許可を得ることが先決ですよ。
⑥料理・引出物の内容
結婚式において親御さんが最も気にされるのは“おもてなし”です。とくに料理と引出物は、皆さんに喜んでいただくことが大前提。何でもいいよ、とおっしゃる親御さんはまずいないでしょう。料理は「皆さんが食べやすいものを」という親御さんの希望により、和洋折中のフルコースがよく選ばれているようです。
オリジナルウエディングが人気ですので、メニューや食材にオリジナリティを求めるカップルが多いですが、その場合は具体的に親御さんと相談することをおすすめします。
メニューの内容によっては「家で食べられるような料理はおもてなしにならない」という意見の親御さんもいらっしゃいますよ。
引出物は、一世帯につき一つが基本です。だからこそ親族の引出物は、一世帯の招待人数が何名かによって内容を変える必要があります。親族によって“贈りわけ”をするのです。
このことを知らずに、友人の引出物と同じように決めてしまって、気づいた時にはもう変更できない…!というアクシデントもありました。ですから、親族の引出物は親御さんと一緒に決めておくほうが安心です。
出典: UNION HARBOR
⑦結婚式費用の分担
結婚式の費用は、挙式当日までに全額の請求書を発行してもらい、支払うことになっています。ですが、新郎家がいくら、新婦家がいくら、といった請求方法ではありませんので、両家できちんと分担方法を話し合っておきましょう。
分担方法を決めるにあたり、ゲストの人数、お色直しの回数、引出物や料理の内容、遠方ゲストの交通費や宿泊費など、一度書き出して整理してみると良いでしょう。その上で、請求書の総額をキレイに折半するのか、あるいは見積もりの項目ごとに分担を決めていくのか…、まずは分担方法をクリアにしておくことが大切です。
気をつけたいのは、両家が集まる席でいきなり費用分担の話を持ち出さないようにすること。まず、2人はどうするのがいいと思うかを話し合っておく。次に、自分たちの意見をもとに、それぞれの親御さんの意見を聞いておく。その上で、顔合わせや結納など全員が揃った時に相談する、というふうに、順を追って相談すると良いでしょう。
⑧お車代の手配
遠方から来てくださるゲストには「お車代」と呼ばれる交通費を用意します。とはいえ、必ず用意するものなのか、往復の費用を負担するのか、片道分でいいのか、これに関しては決まったルールはないのです。
だからこそ、親御さんに相談するのが一番です。親御さんの経験上どうすればいいかとか、親族の結婚式の時にはどうしていたかなど、過去の事例がきっと役に立つはずです。
また、お車代の渡し方も相談しておくと安心ですね。結婚式当日に手渡すこともあれば、あらかじめ新幹線や飛行機のチケットを送付することもあります。
⑨衣装と着付けの手配
モーニングや留袖をレンタルする場合や、当日の着付けをお願いする場合は、親御さんに代わって2人が会場の担当プランナーに依頼するのがスムーズです。親御さんだけではなく、親族の中にレンタルや着付けが必要な方がいらっしゃれば、一緒に手配してあげましょう。
その際、支払い方法の確認をお忘れなく。結婚式の費用の一部に組み込んでしまうのか、レンタルや着付けをする本人が支払うのか、話し合っておきましょう。どちらの支払い方法も事前に会場に申請しておけば大丈夫ですよ。
3. 結婚式当日までに親御さんと相談しておきたい3項目
ここまでの項目は相談するチャンスがいくらでもあるはずですが、これからご紹介する結婚式当日のことは、当日に相談するわけにもいかないので、より慎重に相談しましょう。
⑩披露宴中の挨拶について
⑪当日の支払いについて
⑫ご祝儀の管理について
⑩披露宴中の挨拶について
披露宴の最中、頃合いを見計らって親御さんがゲストのテーブルへご挨拶に伺うのがマナーです。タイミングとしては歓談などフリータイムを利用することが多いですが、ここはやっぱり、進行スケジュールを把握している担当プランナーに確認した上で親御さんに伝えておきましょう。
また、ご挨拶に伺うテーブルを決めておく場合は、両家で足並みを揃えることが大切です。主賓席へは必ず伺いますが、友人席や相手方の親族席へ伺うかどうかは親御さん次第なので、どこまでご挨拶に伺うか決めておくほうが安心ですよね。こちらは友人席まで行ったのに相手方は行ってなかった…なんて些細なことかもしれませんが、両家間のトラブルにつながる可能性もあります。慎重に。
⑪結婚式当日の支払いについて
結婚式の費用は前払いですが、結婚式当日、予期せぬ支払いが発生することもあります。そのほとんどがドリンクの追加費用で、フリードリンクのメニューにないものをゲストが注文した場合、披露宴お開き後に当日支払う必要があります。
この当日の支払いを誰がするのか?新郎新婦は写真撮影や二次会の準備でそれどころじゃありませんから、親御さんが支払いを済ませることになります。どちらの親御さんが支払うかも含めて、事前に相談しておきましょう。
⑫ご祝儀の管理について
結婚式当日にいただくご祝儀は、受付係のゲストが一括で預かりますが、受付終了後は指定した方に渡すことになっています。たいていの場合は両家それぞれの親御さんに預けてもらいますが、披露宴お開き後はどうするのか?きちんと確認しておきたいですよね。
両家それぞれが持ち帰るパターン、一括してどちらかの親御さんが持ち帰るパターン、親御さんから2人が受け取って持ち帰るパターン、さまざまです。披露宴お開き後の予定も考慮の上で、必ず両家で話し合っておきましょう。
4. まとめ
いかがでしたか?結婚式は両家で行うものだからこそ、親御さんに確認・相談すべきことはきちんとしておきましょう。
いくら親御さんが「好きなようにしていいよ」とおっしゃっても、我が子の結婚式だからやっぱり何かと心配されるもの。些細なことでも把握しておきたい、というのが親としての本音だったりするのです。
離れて暮らしているとなかなか相談しにくいこともあると思いますが、意識して連絡を取るようにして相談や報告をしていくと、親御さんの不安も解消されるはずです。
大切な親御さんに心配をかけないように、また、両家間でトラブルを起こさないためにもぜひ、今回の記事を参考にしてみてくださいね。
▼トキハナではさまざまなテーマで相談会を開催しています
いろいろなスタイルのブライダル相談会はコチラから
出典: ホテル雅叙園東京