ウエディングプランナーが運営する結婚式場相談カウンター「トキハナ」監修、結婚式の参列マナー特集。今回は、結婚式のテーブルマナーです。カトラリーの使い方や食べ方など、多くの方が迷いがちなフォーマルな食事のマナーのこれだけは知っておきたい!という基本だけ紹介。結婚式でよくある食事中の困ったシーンについてもQ&Aで解説します!(文:MOMOMS)
目次
1. 着席時とバッグのマナー
テーブルに着いたら椅子には左側から座るようにしましょう。席を立つ時も同じく左側になります。スタッフが席を引いてくれた時はそのままエスコートを受け入れましょう。
バッグは背中と背もたれの間に置くのが良いでしょう。膝の上ですとバッグが食事中に落ちてしまうこともあります。大きめのバッグの場合は右側の足元に置くのがベターです。
なお、テーブルの上に置くのはマナー違反ですのでやめましょう。
2.ナプキンのマナー
フォーマルな食事の場では欠かせないナプキンですが、正しい使い方ができていないと同席した方にマイナスな印象を持たれかねません。基本的なマナーを順を追って解説します。
2-1. すぐ広げるのはNG!乾杯の後に二つ折りで膝の上に
ナプキンは乾杯の後、主賓がナプキンを広げた後のタイミングで手に取って広げましょう。着席してすぐに広げるのはマナー違反なので、乾杯前まではそのままにしておきます。
広げたナプキンは二つ折りにし、折り目側がお腹の方を向くようにして膝の上に乗せます。ナプキンを首から下げる方もいますが正しいマナーではないため避けましょう。
2-2. 口を拭くときは内側を使う
口や手元を拭く時はナプキンを折った状態で内側を使って軽く拭きましょう。カトラリーやグラス、テーブルの汚れをナプキンで拭くのはNGです。また自分のティッシュで口を拭くのもマナー違反になるので注意しましょう。
女性の場合、グラスに付いた口紅をつい拭いてしまいそうになりますがNG行為です。口紅は落ちにくいタイプを使う、開宴前にティッシュで軽く抑えておくなどの対策をしましょう。
どうしても口紅が付いてしまった場合は指先でグラスを軽く拭った後、ナプキンで指先をさっと拭きましょう。
2-3. 離席時は椅子の上、退席時はテーブルの上に置く
写真撮影など、式の途中に離席する時は軽く畳んだ状態でナプキンを椅子の上、もしくは背もたれにかけて席を離れましょう。閉宴後、離席する時はナプキンを軽く崩してテーブルに置きます。
この時、きれいに畳まずに置くのがポイントです。畳んだ状態だと「料理が美味しくなかった、サービスに満足できなかった」というマイナスの意味になってしまいます。
3. カトラリー(ナイフやフォーク)のマナー
カトラリーとはナイフやフォーク、スプーンなどの呼び名です。どう使うかわからずキョロキョロ回りを見渡してしまうのはマナーとしても避けたいところ。最低限知っておきたいカトラリーのマナーを紹介します。
3-1. カトラリーは外側から順番に使う
食事で一番頭を悩ませるのがこのカトラリーの順序だと思いますが、「外側から順番に使う」というポイントをおさえておけばOKです。ただし、中央の大きな飾り皿にあるスプーンはデザート用になるのでその点は注意しておきましょう。
3-2. 離席時はハの字にし、食べ終えたら右に揃えて置く
食事の途中でやむを得ず離席する際はナイフとフォークをハの字に置きにすることで「まだ食事中です」というサインになります。この時、ナイフは刃を内向きにしましょう。
食事を終えた時はナイフとフォークを平行になるよう揃え、正面から見て右斜め45度くらいの位置におきましょう。
4. 飲み物のマナー
カトラリーと同じくグラスも様々な種類があります。基本はスタッフがその時に応じたグラスに飲み物を注いでくれますが、グラスの使い方や飲む際にもマナーがあります。ポイントをみていきましょう。
4-1. 注いでもらう時はグラスは置いたまま
スタッフに飲み物を注いでもらう際、つい気を使ってグラスを持ってしまう方がいますがグラスは置いたままでOKです。飲み物がいらない時はグラスの上に軽く手をかざしましょう。
また会場によっては席に飲み物が置かれ、自分たちで注ぐ場合もあります。その時は勝手に注がず、司会者の合図を待つようにしましょう。
4-2. 乾杯はグラスを合わせず、胸の高さに上げる
乾杯になったらグラスを持って席を立ち、司会者の合図で乾杯をします。この時、やりがちなのが周囲の人とグラスを合わせてしまうこと。フォーマルな場ではグラスは合わせずに胸の高さに上げて「乾杯」と言うのがマナーです。
一口だけ軽く飲んだらグラスを置き、拍手をして着席します。間違っても一気飲みはNGです。また何らかの事情でお酒が飲めない方はグラスに口を付け、飲んだふりをするだけでもOKです。乾杯酒は断らないのがマナーですので形だけでも乾杯を行うようにしましょう。
5. 食事のマナー
食事はメニューによって細かなマナーがありますが、必要以上に気にすることはありません。最低限守っておきたいことや避けたいNGマナーさえ知っておけば恥ずかしいことはありません。順を追ってポイントをみていきましょう。
5-1. 椅子の背もたれに寄りかからず、ペースは周りに合わせる
まず基本的な食事のマナーとして守っておきたいのが、椅子の背もたれに寄りかからないことと食事のペースを周囲と合わせることです。食事は肩の力を抜き、背筋を伸ばしていただくのが所作としても美しく好印象です。
また食事のペースは周囲と合わせるようにするのがポイントです。食べることだけに集中してしまいペースが早すぎたり、逆に会話に夢中になって遅くなったりするのはマナー違反。
コース料理の場合はテーブルごとに同じタイミングでお皿を下げるため、周囲の様子に気を配るようにしましょう。
5-2. パンはすぐ手をつけず、食べる時は一口大に
パンははじめに運ばれることが多いですが、すぐにいただくのはNG。お料理と一緒にいただくようにしましょう。パンは一口大にちぎり、パン皿の上でバターなどをつけていただくのがマナーです。
ソースやスープにつけて食べる方も多いですがマナー違反になるため注意しましょう。
5-3. スープは音を立てず、手前からすくう
スープは手前から奥にスプーンを運び、静かに口に運びます。この時一番注意したいのが、つい音を立ててしまうこと。スープ以外でも音を立てていただくのはNGですし、下品な印象になってしまいます。
スプーンのふちに軽く口を付け、吸わずに口に流し込むようにいただきましょう。またフーフーと息を吹きかけて冷ます行為もマナー違反なのでやめましょう。
スープの残りが少なくなってきたら、お皿を手前に少し傾かせていただきます。お皿を急な角度にして残りのスープを集めたり、スプーンですくえないような少ない量を無理にいただいたりするのはNGです。
5-4. 肉料理などのメインは左から一口ずつ切り分けて
メイン料理ははじめから全て切り分けることはせず、左側から一口ずつ切り分けていただきます。
フォークの背に切り分けた肉などを乗せて食べる方もいますが、フランス式はOKでもイギリス式はNGなど国によってマナーが異なります。曖昧な場合は避けた方が無難でしょう。
6. こんな時どうする!?よくある困ったQ&A
6-1. カトラリーを落としたり、使う順番を間違えたらどうする?
カトラリーやナプキンを床に落としてしまったり、使う順序を間違えた場合は手を挙げてスタッフに知らせましょう。会場側のマナーとしてスタッフが差し替えてくれるので、どちらも必要以上に慌てたり恥ずかしがることはありません。
6-2. 箸を使って食べたい時は?
テーブルには箸が予め用意されていることが多いですが、もし無い場合はスタッフにお願いしてもマナー違反にはあたりません。
6-3. アレルギーがある場合はどうしたらいい?
食品アレルギーがある場合は事前に伝えておくとスムーズです。招待状にアレルギー有無を書く箇所があればそちらに記入し、もし無かった場合は備考欄にその旨を書きましょう。
6-4. スピーチ中は食事はしない方がいい?
スピーチや余興の最中は食事は止めた方が良いでしょう。マナー違反ではありませんが、食事に夢中になっている姿は場の雰囲気を損ねてしまうこともあります。ただし、はじめと終わりの拍手をしない、スピーチ中にお酒を注いでまわるのはNG行為です。
6-5. トイレに行きたくなったらどうする?
基本的に途中でトイレに行くことはNGではありませんが、式のはじめや終わり、新郎新婦や親族の挨拶やテーブル毎の写真撮影といった重要な場面は避けるようにしましょう。トイレに行くタイミングは歓談の時間やお色直しの時がベストです。
6-6. お腹がいっぱい、苦手な食べ物がある場合は?
どうしても食べられない時は残しても大丈夫です。ただし、何もしないとお皿を下げてもらえません。手を挙げてスタッフの方に一言伝えるようにしましょう。
6-7. テーブルのメニューやメッセージカードなどはどうする?
着席時に一通り目を通したらバッグなどにしまっておくのがベストです。新郎新婦がせっかく用意してくれたものなのでテーブルにそのまま放置して帰ってしまうことは避けましょう。
7. プランナーが見た、NGなゲストのマナー
テーブルマナーとあわせて避けておきたいのが、式の進行を妨げてしまうような行為です。実際にプランナーが遭遇したのが「キャンドルを水に濡らして燃えにくくするイタズラ」。
新郎新婦と親しいがゆえのちょっとした悪ふざけのつもりでも、キャンドルサービスの雰囲気を損ねてしまい、他のゲストを興ざめさせてしまいます。
また「テーブルの写真撮影の順番が明らかにわかっているのに席を立つ」こともNGです。このような行為は必要以上に時間を掛けることになり、スケジュールが押してしまうことも。式の準備を当日まで重ねてきた新郎新婦に迷惑が掛かる行為はやめましょう。
8. まとめ
フォーマルな食事は普段あまりする機会がない分、何も知らないと式で恥ずかしい思いをすることも少なくありません。
テーブルマナーは知れば知るほど細かいことが多いですが、結婚式では今回紹介したポイントだけざっとおさえて、周囲への配慮を第一に忘れなければ大丈夫です。
当日は食事を楽しみながら、新郎新婦を心からお祝いしましょう!