澪さんと祐紀さんの結婚式の長期密着取材第2段。
前回は「今だからこそ結婚式を挙げよう」と決めた背景や、会場を選ぶまでのリアルなプロセスをお届けしました。(前回の記事)
そしていよいよ、結婚式は来週。準備もラストスパートを迎えています。
「いや〜、ほんとに大変です(笑)」
取材の冒頭、澪さんはそう笑いました。
でもその声には、少しだけ緊張と、少しだけワクワクが混ざっています。
駆け抜けた“結婚式準備のリアル”と、モチベーションについてたっぷり伺いました。
(文・渡辺優子)
目次
結婚式準備で戸惑ったこと
プランナーは“常に一緒にいる”わけじゃない
結婚式準備で一番驚いたのは、プランナーと常に一緒にいるわけではないということ。
会場によって関わり方は様々ですが、ふたりの会場は花、音響、映像、美容——分野ごとに担当者がいました。
最初はその多さに戸惑い、自分たちで把握しておくこと、考えておかなければいけないこと、確認作業が想像以上に多かったと話します。
隙間時間を味方に
育児をしながら合間を縫っての結婚式準備。
家にいると、やらなきゃいけないことがどんどん目に入ってきちゃうんですよね。
だから、逆に電車での移動時間が一番集中できるんです。
移動中にスマホのメモ機能を使って、招待状の文面やペーパーアイテムのアイディアを整理。

一日の中で“ここだけは準備に集中する時間”って決めると、ちょっとずつでも進められるんです。
移動時間って、意外とすごく貴重なんですよ。
お休みの日に一気にやろうとするとパンクするので、小分けにして進める意識で。
「タスク」と思ってしまうと、できなかった…進められなかった…とストレスに感じてしまうもの。隙間時間を積み重ねるのがふたりのやり方です。
ぶち当たった壁
一番悩んだのは、席次
席次はもう、本当に大変でした……
誰がどこに座るかで、関係性がバレちゃうじゃないですか(笑)。
“あ、私たちの距離感ってこうなんだ”っていうのが伝わるから……
親族、会社関係、友人たち——どこに座るかで関係性が透けて見えてしまう。

そこで、親友には手紙をお願いしつつ、あえて一番前ではなく別の友人を配置。理由を正直に伝えたら「わかるよ、むしろ見やすいし!」と笑ってくれたそう。
最終的に、5回は配置を作り直し。
名簿と座席を照らし合わせて確認していたら、同じ人を二重で入力していることに気づいて……もう、最後はパズルみたいでした(笑)
進行と調整
最初の打ち合わせでは、『自由に動ける時間は20分』と言われていて。
やりたいこと全部は無理だな……と、半分諦めかけていたんです。
でも、別の打ち合わせで他のスタッフと直接話す機会があり、相談したところ「もう少し詰めれば、全部できますよ」と言ってもらえた——。
ドレスチェンジやメイク直しのタイミングを細かく調整してもらい、最初は無理だと思っていた演出も、すべて叶えられることに。

“できません”と言われたら、それを信じてしまうじゃないですか。
でも、実際に現場で動いてくださる方に直接相談すると、意外と“こうすれば大丈夫ですよ”って道が開けることもあるんだなって思いました。
“できる/できない”じゃなくて、“こうしたらうまくいきますよ”って提案してもらえると、すごく安心できました。
結婚式の進行は、限られた時間の中でたくさんのことを組み合わせて作られていきます。
だからこそ、「なぜそれをやりたいのか」「どこを一番大事にしたいのか」を共有することが大切。
ふたりの経験は、これから準備を始めるカップルにとってもヒントになりそうです。
複数の担当者が関わる結婚式準備は、伝言ゲームになりやすいのも事実。
重要な内容は必ずメモやメールで、後々見返せるように残しておくのも安心材料になります。
重視したこと-こだわりと優先順位
ペーパーアイテムも動画も、自分たちで
「正直、めちゃくちゃ大変です(笑)」と言いながらも、どこか楽しそうな澪さん。
招待状の返信締切が8月上旬。そこから先は一気に制作ラッシュに。
席次表とメニューは1枚にまとめました。
プロフィールムービーもアプリを使って自分たちで。
動画なんて作ったことなかったから、最初は“これどうやるの!?”って感じで……(笑)
でも、当日を想像すると頑張れますね。
ゲストが見たときに“わあ!”ってなってくれたらいいなって思うと、もうちょっとやろうって思えるんです。
会場サイズに合わせて直しては確認して……を繰り返すうちに、ようやく形が見えてきたそう。
- こだわった点・工夫したポイント
-
席次表+メニューを1枚にまとめてコストも手間も削減
プロフィールは思い切ってカットし、必要最低限にする勇気も大事
動画は式場に頼むと数万と高額。手作りなら費用は抑えられるが、時間はかかるので早めに着手
親族顔合わせは“なし”に
結婚式当日は朝10時挙式。親族顔合わせを入れると集合時間がさらに早くなるため、思い切って“なし”に。
みんな顔見知りだったので、そこは無理しなくてもいいかなって。
大事なのは、当日を笑顔で迎えられることなので。
ふたりや家族、ゲストにとって本当に必要か?をふたりは常に考えていました。
装花は“見える”を最優先に
テーブル装花は低く、メイン装花は横に広がりすぎないように。
実際にゲスト席に座って視界をチェック。
お花がきれいでも、私たちが見えなかったら寂しいじゃないですか。
写真にどう写るかも重要なポイント。
照明の色、壁や床の色味、天井の高さ……細かい部分まで確認し、「せっかくのドレスが浮いちゃわないように、ちゃんと見えるかを大事にしました」と澪さん。

お花やアルバムなど、単体で高額になるアイテムはお金をかける部分と削る部分を事前に決めておくと良さそう。
ふたりの場合は、座っているときもゲストと目が合って、ちゃんと見えることを一番大切に選んでいきました。
モチベーションの保ち方
正直、“もうやだ〜”って投げ出したくなる瞬間もあります(笑)
でも支えになるのは、ゲストの笑顔を想像すること。
ウェルカムスペースを見た瞬間の“わあ!”って顔とか、席に座ったときのちょっと嬉しそうな表情とか……。
それを思い浮かべると、“よし、頑張ろう”って思えます。
「自分たちのため」と思うと、負担やストレスになるけれど、
「大好きなゲストに喜んでほしい」と思うと気持ちが切り替わるんだそう。

ふたりの原動力は、ずっとゲストの笑顔でした。
前日〜当日の準備/体調管理も準備のうち
朝が早い分、前日はしっかり寝ること、当日は必ず朝食を摂ることも大事。
ゼリー飲料とか、軽めのものを用意しておこうと思ってます。
ドレスのフィット感にも関わるし、長時間なのでエネルギー切れ防止も大事です。
会場の衛生管理上、後からコース料理を控室で食べ直すことはできない。その場でしっかり食べる前提で準備をしているそう。
「お肉だけは絶対食べる!」
新郎新婦って、当日ほとんど食べられないってよく聞くじゃないですか。
澪さんと祐紀さんは、ひとつ約束を交わしています。
料理も結婚式の大事な記憶のひとつだから、ゲストと同じように味わいたいんです。
お肉だけは絶対食べる!って(笑)
スタッフに事前に「これは下げないでください」と伝えているそうです。
涙、先にこぼすのは?
「お父さんたちって、泣くの我慢して歩いたりするけどさ、 俺は号泣しながら歩きたいんだよ」というお父様の言葉がきっかけとなって結婚式を挙げることを決意したふたり。
まもなく、本番を迎える心境はーー。
私は耐える自信あるんですけど……彼は先に泣いちゃうと思います(笑)
祐紀さんは現在、澪さんのお父様と同じトレーニングジムで一緒に身体を鍛えているそう。
仲が良く、普段からいろんな話をするそうで、
「自分たちの結婚式だから、というより、お父さんの気持ちに感情移入して泣いちゃうかもしれないです」と祐紀さん。
真剣に話す祐紀さんを見て笑う澪さん。
私は前を向いてしっかり歩きたいけど、目の前で泣かれたら危ないかも……
どうなったとしてもきっとかけがえのない時間になるはず。
いよいよ、その日へ
澪さんがこうして準備を進めてこられた背景には、ふたりの気持ちを理解し、寄り添ってきたトキハナの存在も大きかったと話してくれました。
ちょっと迷ったときとか、これはどうなんだろう?って不安なときに相談できる場所があったのはすごく心強かったです。
式場の情報だけでなく、「ふたりらしい選び方」「当日を安心して迎えるための準備」についても、一緒に考えてくれる人がいる——。
ここまでやってきたからには、当日は思いっきり楽しみたいです。
無理のないスケジュール、見える装花、映える写真、そして“ちゃんと食べる”。
たくさんの小さな決めごとが積み重なって、ふたりらしい一日が形づくられていきます。

いよいよ、澪さんと祐紀さんの結婚式が幕を開けます。
その一日は、きっと大切な人たちの笑顔であふれることでしょう。
編集後記
準備を見守るなかで感じたのは、ふたりが「誰かのために頑張る」ということを、心から楽しんでいるということでした。
迷いながらも、一つひとつの判断に理由があり、そこには必ず誰かへの想いがありました。
結婚式は、ただ当日を迎えるだけのイベントではなく、準備の時間そのものが宝物になるんだと、ふたりを見て強く感じました。
気持ちを積み重ねていくこと、深めていくことが、当日のふたりや、ふたりの大切なゲストの笑顔に変わっていくのでしょう。
トキハナはこれからも、そんな“ふたりらしい選び方”を支え続けていきたいと思います。
どうかかけがえのない日になりますように!






指輪
ドレス
フラワー
ヘア&メイク
ブライダルエステ
前撮り/後撮り
写真
ムービー