いつ・何が必要?【結婚後の働き方タイプ別】職場・役所の手続きリスト

結婚したら必要になる手続きの数々。
職場での手続きは、働き方や退職の有無、夫の扶養に入るか入らないかなどによって方法が変わります。
そこで今回は、結婚後の働き方タイプ別に、職場や役所での手続き方法をまとめました。
「結婚が決まったら何からすればいいの?」「抜け漏れがないか心配」という人は要チェックです!
(文:侑里子)

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1.結婚後も同じ会社で正社員として働く人

結婚後も変わらず同じ会社で正社員として働く場合は、報告の順序が大切!結婚が決まってから必要な手続きを順番に解説します。

1-1.入籍前に直属の上司に結婚を報告

結婚が決まったら入籍する前に、直属の上司に結婚報告をしましょう。
その後、先輩→同僚と連絡するのがベストです。
入籍後の報告はマナー違反なので要注意!

職場結婚の場合は、同じタイミングでそれぞれが自分の上司に報告しましょう。後日、お互いの上司に挨拶にいくと◎。

1-2.結婚届(身上異動届)や住所変更届を提出

入籍後に、「結婚届(身上異動届)」「住所変更届」などを提出しましょう。
身上異動届とは氏名変更、転居、結婚・離婚の際に必要になる書類で、その人の身に異動や変化があった場合に提出します。

会社によって書式が異なるので、一度担当部署に確認すると安心。これらの書類を提出することで、社会保険や年金の変更等手続きをしてもらえます。

また新姓と旧姓どちらで仕事するのかを決めるのもこのタイミングがベストです。

1-3.銀行口座の名義変更・通勤手当の区間変更をする

結婚と同時に転居した場合、通勤手当の区間変更手続きも必要になります。支給される金額が変わるので必ず手続きしましょう。

また給与が振り込まれる銀行口座の名義や住所変更手続きも忘れずに。忘れてしまうと、給与が振り込まれない場合もあるので要注意です。

1-4.結婚に対する福利厚生の手続き

福利厚生で慶弔金を支給してもらえたり、特別休暇を取得できたりする場合もあります。特に結婚式後ハネムーンに行く場合は、この特別休暇を使うと◎。
自分たちの会社が結婚に対する福利厚生に対応しているのかを担当部署に確認し、適宜申請しましょう!

2.結婚と同時に退職して転職活動をする人

結婚と同時に退職して転職活動する場合は、会社で「退職手続き」、ハローワークで「失業給付の手続き」を行います。

また夫の扶養に入らない場合は「国民健康保険や国民年金第1号の加入手続き」、年内に転職先が決まらない場合は「税務署での確定申告」が必要です。
それぞれの手続きについて解説します。

2-1.上司に結婚報告と退職を伝えて退職届を提出する

3〜6ヶ月前に上司に結婚報告と退職する意志を伝えましょう。その後、社内規定に合わせて、退職する3ヶ月前を目安に退職届を提出します。

退職となると、引き継ぎや後任の人事などが必要になるので直前の報告は厳禁。お世話になった方々への配慮を最後まで忘れずにしましょう。

2-2.担当部署で退職手続きを確認し必要な書類を受け取る

担当部署(多くの場合は総務部)で退職手続きを確認し、必要な書類を受け取りましょう。
書類例は以下の通りです。

・雇用保険被保険者証(転職先に提出する)
・健康保険被保険者資格喪失証明書
・退職証明書
・離職票 (後日自宅に郵送されることが多い)
・源泉徴収票(後日自宅に郵送されることが多い)

2-3.ハローワークで失業給付の手続きを行う

離職票が届いたら、ハローワークで失業給付の手続きと求職の申し込みをしましょう。
失業給付とは、政府から失業者に配して支払われる給付金。支払われる金額や期間は、離職理由や年齢、賃金日額、被保険者だった期間などによって決まります。

手続き後受給資格が確定したら説明会に参加し、ハローワークや転職サイトで求職活動を開始。失業給付を受給する場合、4週間に2回以上の求職活動をする必要があります。
また4週に1度の認定日にハローワークで失業認定を受けなければいけません。

【失業給付に必要なもの】
・離職票(2枚)
・マイナンバーカードか通知カード
・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
・証明写真2枚
・印鑑
・本人名義の通帳

2-4.夫の扶養に入らないなら国民健康保険と国民年金第1号の加入手続きを

求職活動中に夫の扶養に入らない場合は、市区町村の役場で「国民健康保険」と「国民年金第1号」の加入手続きが必要です。退職日の翌日から14日以内に書類を提出しましょう。

【加入手続きに必要なもの】
・退職日が証明できる書類(健康保険資格喪失証明書、離職票、退職証明書など)
・年金手帳
・本人確認書類(マイナンバー、免許証、パスポートなど)
・印鑑

2-5.年内に転職先が決まらなければ税務署で確定申告する

退職した年内に転職先が決まらない場合、税務署で確定申告の手続きをしましょう。払いすぎていた税金が還付される可能性があります。

確定申告する場合は、退職時に会社から渡される「源泉徴収票」が必要なので忘れずに。

【確定申告に必要なもの】
・確定申告書
・印鑑
・源泉徴収票など、申告に応じた添付書類

3.結婚後は退職して夫の扶養に入る人

結婚後退職し夫の扶養に入る場合に必要な手続きを、「夫が会社員の場合」と「夫が自営業・フリーランスの場合」に分けて解説します。

3-1.夫が会社員の場合

退職し会社員の夫の扶養に入る場合は、自分の退職手続きに加え夫の健康保険の被扶養者に入る手続きが必要になります。

上司に結婚報告と退職の意志を伝える

まず自分の上司に結婚報告と退職の意志を伝えましょう。
その後退職手続きが必要になりますが、詳細は2-1.上司に結婚報告と退職を伝えて退職届を提出する/ 2-2.担当部署で退職手続きを確認し必要な書類を受け取る を参考にしてください。

夫の扶養に入る手続きをする

夫の扶養に入るためには、夫の会社で健康保険と国民年金第3号の加入手続きが必要です。夫に担当部署へ確認してもらい、必要な書類を受け取りましょう。
退職日の翌日から5日以内に手続きを済ませると◎。

【扶養手続きに必要なもの】
・夫の勤務先からもらった書類(健康保険被扶養者届(異動届)、国民年金第3号被保険者関係届など)
・夫と妻の印鑑(新姓)
・マイナンバーカードもしくは基礎年金番号(年金手帳)

3-2.夫が自営業・フリーランスの場合

退職し自営業・フリーランスの夫の扶養に入る場合は、自分の退職手続きに加え、国民健康保険や国民年金第1号に加入する手続きが必要になります。

上司に結婚報告と退職の意志を伝える

まずは自分の上司に結婚報告と退職の意志を伝えましょう。
その後退職手続きが必要になりますが、詳細は2-1.上司に結婚報告と退職を伝えて退職届を提出する/ 2-2.担当部署で退職手続きを確認し必要な書類を受け取る を参考にしてください。

退職時に「離職票」のような退職日が記載されている書類を受け取りますが、国民健康保険や国民年金の手続きに必要なので大事に保管しておきましょう。

国民健康保険と国民年金第1号の加入手続きをする

国民健康保険や国民年金第1号の手続きは、退職日の翌日から2週間以内に、新住所の役所で行います。

【加入手続きに必要なもの】
・退職日が証明できる書類(健康保険資格喪失証明書、離職票、退職証明書など)
・年金手帳
・本人確認書類(マイナンバー、免許証、パスポートなど)
・印鑑

4.現在、派遣・パート・アルバイトとして働いている人

正社員だけでなく、派遣やパート、アルバイトとして働いている人も、結婚後の報告や手続きが必要になります。

4-1.結婚後も続ける場合

派遣社員やパート、アルバイトであっても会社への報告と手続きは忘れずに。
というのも、パートやアルバイトであっても会社を通して税金や年金を納めているので、公的な手続きが必要なんです。

ただし、派遣社員の場合は、派遣会社が雇用主なので派遣会社の担当者にまずは報告すること。その後、会社の上司に結婚を報告しましょう。

4-2.結婚と同時に辞める場合

パート・アルバイトの人は、退職予定日の3ヶ月前までに上司に報告しましょう。社内規定で期限が決まっている場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。

派遣社員の場合は、上司より先に派遣会社の担当者に報告を。引き継ぎや人事があるので、直前の報告は控えましょう。

5.現在、自営業・フリーランスとして働いている人

5-1.結婚後も続ける場合

自営業・フリーランスとして仕事を続ける場合は、税務署の手続きが必要です。

税務署で変更手続きをする

結婚後も仕事を続ける場合は、税務署で氏名や住所の変更手続きをしましょう。
「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」という書類を提出する必要があります。

また従業員に給与を支払っており、事務所の住所に変更があった場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」も提出しなければいけません。

旧姓を使う場合は「屋号」を活用する

旧姓のまま仕事を続けたい場合は、「屋号(ペンネーム)」を活用するとこれまで通り旧姓で活動できます。
ただし銀行口座を新姓に変更したら、取引先への報告が必要です。また、確定申告のときに還付金を振り込む口座の名義と屋号が異なると混乱させてしまうので、旧姓で活動していることを税務署に通達しておきましょう。

確定申告に必要な手続きも忘れずに

税務関係以外にも、マイナンバーや銀行口座、生命保険の契約、インフラ関係などの変更手続きも忘れずに。確定申告する際に必要であり、特に銀行口座は名義や住所を変更していないと還付金が支払われない場合があるので注意しましょう。

5-2.結婚と同時に辞める場合

結婚と同時に自営業・フリーランスとしての仕事を辞める場合は、廃業手続きや青色申告の取りやめ届出書を提出しましょう。

税務署で「廃業届」を提出する

個人事業主の人が結婚と同時に仕事を辞める場合は、税務署で「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しましょう。この届を提出すれば、確定申告のお知らせや納付書が届かなくなります。

青色申告していた場合は「取りやめ届出書」を提出する

またこれまで「青色申告」していた人は、税務署に「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出しましょう。提出期限は、青色申告を辞める年の翌年3月15日までです。

この届出を提出しないで青色申告を2回行わないと、自動的に青色申告が取り消され、1年間は再申請ができなくなります。もし仕事を再開したくなっても、1年間は青色申告ができなくなるので注意しましょう。

夫の扶養手続きをする

夫の扶養に入る手続きをしましょう。
詳しくは「3.結婚後は退職して夫の扶養に入る」の項目を参照してください。

6.【男性版】結婚にともなう職場での手続き

6-1.妻の退職に関係なく必要な手続き

妻が退職してもしなくても必要な手続きを解説します。

「結婚届(身上異動書)」を提出する

上司への結婚報告後、結婚届(身上異動書)」を提出しましょう。
身上異動届とは氏名変更、転居、結婚・離婚の際に必要になる書類で、その人の身に異動や変化があった場合に提出します。

会社によって書式が異なるので、一度担当部署に確認すると安心です。これらの書類を提出することで、社会保険や年金の変更等手続きをしてもらえます。

結婚に対する福利厚生の手続き

福利厚生で慶弔金を支給してもらえたり、特別休暇を取得できたりする場合もあります。特に結婚式後ハネムーンに行く場合は、この特別休暇を使うと◎。
自分たちの会社が結婚に対する福利厚生に対応しているのかを担当部署に確認し、適宜申請しましょう!

6-2.妻が扶養に入る場合の手続き

妻が退職した場合は扶養手続きが必要になります。

退職後5日以内に必要書類を提出する

「健康保険被保険者扶養者届(異動届)」と「国民年金第3号被保険者関係届」を必ず提出しましょう。
担当部署(主に総務部)で確認すれば必要書類をもらえます。
これを忘れてしまうと妻が扶養に入ることができないので要注意。

年末調整時に「配偶者控除の申請書」を提出

妻が扶養に入った場合は、年末調整する際に「配偶者控除の申請書」を提出する必要があります。
提出しないと配偶者控除が受けられず、税金の負担額が増えてしまうので忘れずに申請しましょう。

7.婚姻届を提出する際には「婚姻届受理証明書」をもらっておこう

婚姻届を役所に提出するときに、「婚姻届受理証明書」を申請しておくと便利。
あらゆる結婚手続きで必要になる「戸籍謄本」は申請してから受理されるまで時間がかかるので、その間の公的な結婚証明書として「婚姻届受理証明書」を代わりに使用すると◎。
会社での手続きや住民票の発行などにも使えますよ。

▼関連記事
【婚姻届の提出方法】どの役所に行けばいい?受付時間は?ありがちなミスを防ぐポイントも解説!

8.まとめ|結婚後の働き方に合わせて必要な手続きを進めましょう!

結婚後の働き方のタイプによって、職場や役所での手続き方法は違います。
会社に属する会社員やパート、アルバイトの場合は、まずは上司への報告を忘れずに。派遣社員は派遣会社の担当者へ報告すると◎。

退職する場合は、なるべく早めに報告し会社への配慮を忘れないようにしましょう。扶養に入る場合は、夫の働き方によって手続き方法が違うので要確認。
会社によって必要書類の形式が違うので、担当部署に連絡して抜け漏れがないようにすると安心です。

自営業やフリーランスの場合は、変わらず働く場合も辞める場合も税務署での手続きが必要になります。確定申告に関係するのでしっかりチェックしましょう!

解説した職場や役所での結婚手続きを参考に、自分や夫の働き方に合ったやり方で手続きを進めてくださいね。

*本記事は2021年11月時点の情報をもとに作成しています


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