入籍するために必要な婚姻届。
結婚をする本人たちの署名だけではなく、ふたりの結婚を認める「証人」のサインが必要となります。
「証人って誰にお願いするべき?!」「あの人にお願いしたいけどマナーはあるの?」と悩まれるかたも多いのでは。
大切な手続きだからこそ、失礼なくスムーズに進めたいものですよね。
この記事では、証人欄の書き方や第三者にお願いするときの注意事項などを詳しくご紹介!
これから入籍を迎えるカップルなどは、参考になることばかりなのでぜひチェックしてみてくださいね♪
(文:aiiro_aiko)
1.婚姻届の「証人」とは?
日本国内では、市区町村の役所に婚姻届を提出し受理されることで「結婚(婚姻)」が認められます。
婚姻届には、たくさんの記入事項がありふたりの署名だけでなく、「証人欄」という箇所があります。
必ず証人の署名がなければ、法的に婚姻届が受理されることはなく、結婚は認められません。
では、大切な婚姻届に署名をしてもらう「証人」とはいったいどんな役割の人で、誰にお願いすればいいのでしょうか? 詳しく解説していきますね。
1-1.民法第739条で定められている人
婚姻届に署名をする「証人」とは、民法第739条において次のように定められています。
民法739条(婚姻の届出)
1.婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2.前項の届出(婚姻届のこと)は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
よく、結婚式などでもゲストのことを「ふたりの結婚の証人」と呼んだりもしますが、これはあくまでもイベントでの呼び名。婚姻届に署名をする「証人」は法的にふたりの結婚を証人する人のことを言います。
婚姻届に証人が必要な理由としては、偽装結婚や無断で婚姻届が提出されてしまうことを防ぐ役割を果たしているのです。
婚姻届は、夫婦となり新しい戸籍を作る重要な届け出となるため、証人欄を設けることで正確性を高めています。
1-2.証人になれる人の条件
婚姻届の証人は、民法第739条において、「成人(20歳以上)」であることが条件として定められています。 例え、結婚するふたりが成人であっても、成人の証人は必要です。
20歳以上の成人であれば、証人を誰にすべきかにおいては法的な決まりはありません。
ただ、ふたりの人生の門出を見守る大切な証人となるので、結婚するふたりのことをよく知る人物にお願いするのが望ましいでしょう。
基本的には、新郎側で1人、新婦側で1人、信頼できる親しい人にそれぞれお願いすることが多いとされていますが、こちらも特に決まりがあるわけではありません。
新郎新婦のどちらかが、証人を2人お願いすることも問題はないので、安心してくださいね。
そこで、気になる婚姻届の証人はどんな人にお願いするのか?証人になると何かリスクがあるのか?など「証人」について詳しくみていきましょう!
1-3.証人になることによるリスクは?
婚姻届の「証人」と聞くと、なにやら重要な役割で責任やリスクがあるのでは?!と心配する方もいるかもしれませんが、特にリスクを背負うようなことは一切ありません。
あくまでも婚姻届の証人は、偽装結婚などの婚姻届の悪用を防止するために定められたものなので、何かあった時に責任を負うようなことはないので、安心してくださいね。
きっと、おふたりから証人のお声がけをいただいた方は、「光栄」に思われることが多いでしょう。
結婚後も深いお付き合いになるような方だと思うので、証人のお願いをするときは、失礼がないようにきちんと説明をして署名いただくようにするのがベストですね*
2.婚姻届の証人は2名必要
婚姻届には証人の署名欄が2つ設けられています。
証人欄が「空白」となっていると、婚姻届の受理はされませんので婚姻が成立しません。そのため、必ず2名の証人を立てて署名することが必要です。
証人は2名と決まっていますが、その組み合わせは前述の「1-2.証人になれる人の条件」で述べたように自由です。
証人欄の書き方も、左右どちらに新郎側、新婦側の証人を書くという決まりはありませんので、自由に記入いただいてO Kです。
また、イレギュラーではありますが、「どうしてもこの3人にお願いしたい!」など強いこだわりがある場合は、3人目以降の証人は、枠外に署名&押印・住所・本籍地などの必要事項を書いてもらうようにしましょう* たくさんの方に証人をお願いしたい!なんて素敵な絆ですよね♪
ここまで、婚姻届の「証人」についてご紹介してきましたが、先輩花嫁さんたちは、大切な証人をいったいどんな方にお願いしているのでしょうか?
2-1.もっとも多いのは「家族」
証人をお願いした人でもっとも多かったのは、「家族」。
ふたりの人生を近くで見守り寄り添ってきた家族だからこそ、これから歩む新しい人生の証人になって欲しいと思う新郎新婦は多いようです。
家族の中でも最も多いのは、「父親」。
あるアンケート調査では、50%以上の方は父親、20%が母親という結果に。証人のパターンとしても、新郎父&新婦父の2名が一般的のようですね。
昔から一家の主人と呼ばれる「父親」の存在はやはり大きく、結婚という大きな門出をお父様に認めてもらいたい!というあらわれかもしれません。
今まで育ててくれた感謝の気持ちと、これからは戸籍を抜けて新たに自分の家庭を築いていくという意志を伝える良き機会になりますね。
2-2.「友人」や「職場の同僚」もOK
家族の次に多かった証人は、「友人」や「職場の同僚」。
友人にお願いする理由としては、ふたりが付き合うきっかけになったキューピットだったり、いつもふたりを見守ってくれていた良き相談相手だったり、と仲間として大切に思っているからこそ。
職場結婚の場合であれば、ふたりを良く知る同僚にお願いするケースも多いようです。
社会人になると、家族よりも長く過ごすのが職場仲間だったりするので、絆も深いものになるでしょう。
今までの感謝の気持ちと、これからもずっと仲良くヨロシク!という意味も込めて友人や同僚にお願いするのも素敵ですね♪
2-3.外国人にお願いする場合は?
婚姻届の署名は、日本国籍を持たない外国人も20歳以上の成人であれば認められています。
ただし、外国人の場合はいくつか署名の際に注意すべきことがあるので、外国国籍の方に証人をお願いしたい方はしっかりチェックをしておきましょう!
- 署名について
-
カタカナでフルネーム(ファミリーネーム、ファーストネーム、ミドルネームなど全て)を簡略化せずに記入すること
上記と同様に欧文でフルネームを署名すること
(※外国人は印鑑がないので、押印は不要です。)
- 個人情報について
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生年月日は和暦ではなく西暦で記入
住所は住民登録をしているところを「日本語」で記入
本籍欄には、国籍を日本語で記入(例えば「アメリカ合衆国」、「フランス共和国」など)
これらの署名すべて自筆で記入することが義務付けられています。
「代筆」では認められませんので、必ずご自身で記入いただくようにお願いしましょう!
2-4. 死亡している人は証人になれない?
婚姻届の証人となれば、心から大切に思う人にお願いしたいものですよね。
その方が、今この世にいなくとも見守ってきてくれていた感謝の気持ちや、大切に思う気持ちは変わらないもの。
ただ、婚姻届の証人においては他界された方は認められていないのです。
署名において「代筆」では受理されないので、お亡くなりになっている方に署名をお願いできないからです。
きっとその方もおふたりの結婚を見守ってくれているはずなので、婚姻届の署名は他の親しい方にお願いするようにしましょう*
3.証人に署名・押印をお願いする際のダンドリと注意点
婚姻届の証人をお願いする際には、押さえておくべき注意点がいくつかあります。
おふたりにとっても、婚姻届の手続きはわからないことだらけで不慣れなはずですが、証人をお願いされた方も同じです。
普段からたくさん証人をしている!という方も少ないと思うので、相手の立場に立って証人をお願いするようにしましょう。
では、どんな注意点があるのか解説していきますね!
3-1.マナーが大切!必ず事前に許可を得ること
証人をお願いする時には、事前にお伺いを立ててから許可を得るようにしましょう。
お願いする相手が、友人や同僚ではなく家族やご両親の場合でも事前にお話しをしておくのがベスト。
サプライズなどで急に婚姻届を持って、「ここに署名をしてほしい!」と言われても、相手を困らせてしまう可能性もあります。署名欄には本籍地の記載もあり、本籍地がわからずその場で記入できないことも。
また印鑑も必要のため、持ち合わせていないことも考えられるので、事前に準備していただけるようにお話ししておくことが、大人のマナーです。
入籍の希望日がある方などは、日数や時間に余裕を持って証人にお願いするようにしましょう。
希望日のギリギリにお願いをして、相手を焦らすようなことにならないように注意が必要です。
3-2.郵送する場合は内容をわかりやすく
基本的には婚姻届の証人をお願いする際、ふたりで結婚のご挨拶も兼ねて出向くことが一般的。
ですが、証人が遠方にお住まいの場合やスケジュールが合わず直接会うことが難しいこともあるので、その場合は郵送で婚姻届を送りましょう。
郵送で送る場合は、証人欄の記入例なども一緒に同封しておくと喜ばれます。
記入漏れや書き損じがあると受理されないケースもあるので、署名いただく内容をわかりやすくしておくと間違いがないので安心です。
また、記入例や婚姻届だけでなく、送付状と返信用の封筒も添えて送ることを忘れずに!
3-3.持参するなら手土産を忘れずに
何かをお願いしたり、相手のご自宅に訪問する際などは手土産を持っていくのは社会人としてのマナーですよね。
それが婚姻届の証人のお願いともなればなおさら!
気心しれた仲の良い相手でも、証人になっていただく感謝の気持ちをあらわす手土産はしっかりと準備をして行くようにしましょう*
3-4.証人欄の書き方ポイント
証人をお願いしてせっかく署名をしてもらったのに、間違いや不備があって婚姻届の受理がされない!なんてことは避けたいですよね。
証人になる方も不慣れなことが多いので、記入例をもとに間違いないように「証人欄の書き方ポイント」をご紹介します!
事前に要注意ポイントを知っておくだけでミスを防げるので押さえておきましょう*
- 証人欄の書き方ポイント
-
生年月日は西暦ではなく、「昭和」や「平成」の和暦を記入
住所は、住民登録に記載されている住所を記入
本籍地は、戸籍に記載されている本籍地を記入
印鑑は署名2名分が必要。夫婦にお願いする場合は、別々の印鑑を用意してもらうこと
基本的に証人が使用する印鑑は認印でも実印でもOKですが、可能な限りシャチハタ(インク浸透式のゴム印)ではないものがいいとされています。
このようなポイントがあるので、お願いする証人の方には事前にお伝えしておくようにしましょう。
本籍地や住民登録されている住所の確認など、すぐにはわからずに事前に確認が必要なこともあるので、時間に余裕を持ってお伝えしておくと安心です。
3-5.婚姻届が受理されたら報告を
婚姻届を提出し受理されたら、証人の方へは「無事入籍ができました」といった報告は忘れずに行うようにしましょう。
証人も署名をした以上は、「不備がなかったかな?」「ちゃんと入籍できたかな?」と気になっている方も多いはず。きちんとお礼も兼ねて連絡をするのがマナーです。
報告がないと、「署名をしたのに連絡がない!」と失礼に思われてしまうかもしれませんので、注意しましょう。
4.証人欄のよくあるミスと対処法
これから婚姻届を準備して、証人に署名をもらう人は必見!
先輩カップルさんたちが遭遇した「証人欄のよくあるミス」をご紹介!
事前にミスの傾向がわかっていれば、証人の方へもアドバイスができるので間違いも回避できますよね。大事な婚姻届なので、ミスなくスムーズに提出したいもの。
ぜひ、チェックしておいてくださいね!
4-1.よくある証人欄の記入ミス
証人欄でよくある記入ミスをまとめてみました*
- 証人欄でよくある記入ミス
-
証人が父母の場合、母親(父親)の氏が省略されている(必ずフルネームで記載!)
証人欄に氏名の記入しかなく、生年月日、住所、本籍の記入がない
住所の番地を「丁目」「番」「号」ではなく、数字とハイフンだけで書かれている
そもそも証人欄の記入がない(証人の署名がない場合は、婚姻届は受理されません)
などが多くあげられました。
証人をご両親や友人ご夫婦にお願いする方も多いので、その場合は「印鑑は別々のもの」「苗字を省略しない」などポイントを押さえておきましょう!
住所の番地の書き方なども知らないとハイフンで書いてしまいがちなので、証人の方にも一言添えておくといいですね。
4-2.記入ミスがあった場合は?
万が一、記入ミスがあったとしても最初から書き直す必要はありません。
ただ、婚姻届は公的文書として扱われるので、間違いはきちんと正す必要があります。
もし間違えた場合は、該当箇所に上から二重線を引き、余白部分に正しい署名をすれば大丈夫です。その際には訂正印を押印しましょう。
修正テープや修正液を使用することは認められていないので、気をつけてくださいね。
4-3.捨印をもらっておくと安心
必須ではありませんが、証人に「捨印」をもらっておくのも安心です。
「捨印」とは署名をした後、文書に誤りが見つかったときのために、あらかじめ文書の余白部分に訂正印を押しておくこと。
枠外に証人2人の「捨印」をそれぞれ押印しておいてもらうことで、万が一記入ミスがあった場合でも訂正して受理されることが多いです。
ただ、新郎新婦本人の署名欄もそうですが、婚姻届は大事な公的文書のため、訂正箇所があるよりは間違いがなく綺麗な状態の方が好ましいので、事前に気を付けるようにしておきましょう!
5.まとめ
ここまで、婚姻届における「証人」についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
この記事を読むまでは、「証人って必要なの?」とか「誰にお願いすればいい?」と婚姻届の疑問がたくさんあった方も多いでしょう。
日本国では、結婚において2人だけが納得して届けを出せばOKというものではなく、ふたりの結婚を認めるという第三者の証人が必要です。
大事な公的文書だからこそ、証人への依頼にも配慮が求められるのでマナーを守り、記入ミスがないように事前準備をしっかりしておきましょう!
みなさまの入籍が問題なくスムーズに行えることを願っております♪
*本記事は2021年11月時点の情報をもとに作成しています
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